目次
1.「子育てしたいまち ヨコハマ」の取り組みがすごい!
育児中の家庭にとって、子育てしやすい環境は、とても重要ですよね。そして、そんな街は自然と家族みんなが暮らしやすい街。そこで今回は、子育てへのサポートが充実し、「子育てしやすい!」と評判の横浜市の山中竹春市長と、ふたりのお子さんのママで、横浜市に9年間住んだことがあるという体操元日本代表、田中理恵さんをお迎えして子育てトークを開催。横浜市の子育て世代への取り組みと、田中さんの子育てエピソードをたっぷりお話しいただきました!
2.「便利さ」と「ゆとり」のバランスが最高。
「住みたい街ランキング」7年連続1位!
――田中さんは、横浜市に9年間住んでいたそうですね。横浜市にはどのようなイメージをお持ちですか?
田中理恵さん(以下、田中) 大学進学をきっかけに横浜市で暮らし始めたのですが、私は地元が和歌山県なので、初めは都会での暮らしにドキドキしていました(笑)。でも、緑が多くて住みやすい環境でホッとしました。また、小学生の頃、夏になると横浜文化体育館(現在の「横浜BUNTAI」)で全日本ジュニアの大会(全日本ジュニア体操競技選手権大会)が開催されていたので、そこで試合をした思い出が強く印象に残っています。今でも大好きな街です。
山中市長(以下、市長) 横浜は、街と海、そして街と緑が近く、どこにいても空がとても広いですよね。大都市でありながら自然が多くて、気持ちいい場所が多いのが特徴です。便利さとゆとりのバランスが取れているというか。
田中 そうですね。訪れるだけでリラックスできます。2021年には、戸塚区に、兄と一緒に田中体操クラブを開校しました。そして、2022年とその翌年には応援ゲストとして横浜マラソンに参加させていただいて、横浜市にはずっとご縁があります。最近は、休みの日に、家族と横浜のホテルに泊まりに来て旅行気分を味わうこともあるんですよ。ホテルの近辺を、海を見ながらお散歩する時間も好きです。
市長 みなとみらい21地区の臨港パークから赤レンガ倉庫、大さん橋、山下公園までの海沿いの約5キロは、メディアやSNSでもしばしば取り上げられますが、きれいな水辺空間と都市部が近いことを実感できる、世界的に見ても希少な場所だと思っています。
郊外部に目を向ければ、公園がとても多い! これは横浜の大きな特徴です。それに、市立の動物園が3ヶ所もあるのは国内で横浜市だけです。小さなお子さんがいると、身近な公園や動物園は重要ですよね。
田中 重要です! うちの子は、1歳の男の子と小学1年生の女の子なんですが、日頃から外で遊ぶことは大切にしています。きれいで安全な公園だと、安心して遊ばせることができるんですよね。
市長 横浜には、なんと約2,700か所もの公園があるのですが、その9割を超える公園の各々に「公園愛護会」というボランティア団体があり、地域の皆様が、清掃や花壇の管理をしてくださっています。こんなに多くの公園がある大都市は横浜だけですし、公園愛護会の結成率が9割を超えているのも横浜ならではです。横浜の公園が、いつもきれいで気持ちいい空間なのは、地域の皆様のおかげであり、そういう「市民力」が、横浜の自慢の一つですね。
田中 子どもたちが安心して遊べるように、地域のみなさんで見守って下さっている感じもして、素敵ですね。
3.中学生まで医療費無料。
妊娠・出産期から学齢期まで、切れ目なくサポート!
――魅力的な環境が整う横浜市。民間調査の「住みたい街ランキング」では、7年連続で堂々の1位でした。全世代で1位となりましたが、特に子育て世帯は昨年度比で33%と、大幅にアップしましたね。
市長 これまで取り組んできたことが、ポジティブに受け止められていると感じています。横浜市では、2023年8月から、中学3年生までのすべてのお子さんの医療費を無料にしました。2026年4月からは、長年望まれてきた中学校での全員給食が始まります。今、全員給食に向けて、保護者向けの試食会を各学校で開催しているのですが、多くの保護者の方から、給食に「良い印象をもった」という回答をいただいています。
田中 子育てをしていると“ゆとり”がなくて……自分の感情で子どもを叱ってしまい、反省することもあります……。だから時間的な“ゆとり”って本当に大切で、中学校でも給食が提供されるのは、お弁当づくりの時間がなくなるので、本当に有難いサポートだと思います。私も大賛成です。
市長 特に、田中さんのお子さんくらいの時期、未就学児から小学生くらいまでは、とにかく“ゆとり”がなくなりがちですよね。そこで横浜市では、妊娠・出産の時期から学齢期までの切れ目のないサポートを目指した、「おやこ More Smile Package」を新たに開始しています。
田中 妊娠中からずっとサポートがあるのは、ありがたいです! 妊娠中は親になるための大切な準備期間ですよね。私もそうだったんですが、出産したあとは、初めての経験で孤独や不安を感じて、余裕がなくなってしまうこともあります。でも、行政のサポートがあるだけで、安心できるし、心に“ゆとり”ができると思います。
4.出産費用を最大9万円独自助成。妊婦健診費用も5万円上乗せ。
全国初の総合アプリで子育ての手続きがスマホひとつで完結!
市長 まず、政令市で初めて出産費用の独自助成を開始しました。2024年4月1日以降に出産した方を対象に、国の出産育児一時金50万円にプラスして最大9万円を助成します。59万円という額は、公的病院での基礎的費用を100%カバーできる金額としました。さらに、妊娠・出産期の支援として、今年度から妊婦健診費用の助成を拡充しました。これまでの補助額(82,700円)に5万円を上乗せしますが、横浜市の妊婦健診助成額は政令市で一番高い水準となりました。
田中 うわ~、そんなに助成していただけるんですか。横浜市で産めばよかったです(笑)。
市長 それから、子育て中は、いろいろな手続きのために仕事を休んで区役所に行かなければならないので、7月に、全国初の総合的な子育て応援アプリ「パマトコ」WEB版をリリースして、区役所に行かなくても、オンラインで児童手当や小児医療証の手続きができるようにしました。「本人確認はどうするのか?」と良く聞かれますが、マイナンバーカードを使ってオンライン上で出来るようにしています。先ほどお話しした出産費用助成の申請も、このアプリでできるようにします。
また、母子健康手帳の機能も搭載していて、お子さんの成長記録や、予防接種の何回目の接種をどの時期にするのかという管理もできるようにしました。アプリ版は9月末にリリースする予定です。忙しい子育て世代の皆様に、こうしたデジタルの力で「時間をお返し」したいと考えています。
田中 これは助かります! とっても! 予防接種の履歴は、進学するときに書類に書かないといけないんです。なので、いつ何を接種したのかを忘れると大変です。
市長 ワクチンによっては2回、3回打つものもありますし、管理が大変ですよね。「パマトコ」には、ほかにもいろいろな機能があって、GPS機能とGoogleマップと本市の持つ情報を組み合わせて、お子さんと一緒にお出かけしたときに、オムツ替えスペースや子ども用トイレ、託児サービスの場所などを簡単に探せるようにしました。
また、横浜では、夏祭りのような地域密着イベントから、大規模イベントまで、一年中様々な行事が行われています。たとえば、7月だけでも横浜市内で5,000件以上のイベントが開催されているんですよ。そこでそれらを情報として一元化し、お子さんの年齢や興味にあわせたイベント情報を検索したり、届けられたりできるようにしました。
田中 す、すごい……。地域で開催されるイベント情報ってどこで検索していいのかわからないことも多いので、「パマトコ」があれば簡単に検索できて、お出かけの予定をばっちり立てられますね。地域のイベントは、普段はなかなか接点がない地元の方々ともつながれるので、良い機会にもなりますよね。
5.紙オムツの持ち帰り不要!
夏休み期間中の昼食提供で“小1の壁”対策を
市長 ところで、田中さんは、紙オムツで苦労された経験はありませんか? 私自身の経験では、子どもが保育園に通っていた頃、保育園に持っていく紙オムツのストックが少ないことに夜になって気づき、慌ててドラッグストアやコンビニに走ったり、朝バタバタしているときにオムツに名前を書かなければならず、焦ったり……。
田中 オムツ問題、ありますよ! 保育園に持たせるには、一枚一枚に名前を書かないといけなくて。これが意外と面倒なんですよね……。仕事で疲れているときは、夫と目を見合わせて、「どっちがオムツに名前書く?」という雰囲気になります(笑)。
市長 使用済みのオムツを、持ち帰らないといけない保育園もありますよね。使用済みのオムツは重いじゃないですか(笑)。
こうした保育園の送り迎えの時の荷物を軽くしたいという思いから、横浜市では、「にもつ軽がる保育園」という取組をはじめました。保護者の方がサブスクを利用して、保育園で紙オムツや食事用エプロンなどを購入していただけるようにし、持ち帰りの負担を減らす取組です。全国最大規模の市内約1,200施設が対象で、サービスを導入する保育園がどんどん増えています。また、使用済みオムツは、保護者の方が持ち帰らなくて良いように、園での処分費用の助成を開始しました。
田中 荷物が多いと、準備にかかる時間や、送り迎えのときの持ち運びも大変なので、何から何まで、パパやママに優しい施策で素敵ですよね。こういうサポートがあると、時間にも気持ちにも“ゆとり”が生まれると思います。
市長 お子さんが小学生になると、給食が無くなる夏休みなどの長期休み期間中に、お弁当作りが必要になります。いわゆる“小1の壁”の代表例ですが、横浜市が保護者の皆様に行ったアンケート調査でも、長期休み期間中の昼食提供サービスへのニーズは、93%にものぼっていたんです。そうしたお声に応えるため、この夏休みから、横浜市内すべての放課後の児童預かり場所で、昼食の提供を開始しました。スマホで注文決済が可能で、1食400円。長期休み期間中の“お弁当問題”の解消につなげたいと思っています。
田中 “小1の壁”、まさに実感中です。うちの娘もこの春に小学校に入ったばかりで、環境の変化に戸惑いながら頑張っています。親としてその様子を見守ることは想像以上に大変で、1歳の息子とは年齢が離れていることもあり、ひとりひとりに向き合う難しさを感じています。毎日子育てに全力投球なので、お昼ご飯を提供して下さるサービスがあったら大助かりです!
6.子育て世代、子どもたちに優しい街!
田中 今回、横浜市が、さまざまな方面から子育て世代をサポートして下さっていることを知って感動しました。そして、また住みたいなって思いました! 育児中は、頑張りすぎると心や体が折れちゃうことも。でも、横浜市は、子育て世代、そして子どもたちに優しくて、地域のつながりを感じるので“一人じゃないんだな”って思える街ですよね。そして、住むのはもちろん、訪れるだけでもリフレッシュできる、特別な街だなと改めて実感しました。
市長 そう言っていただけて、とても嬉しいです。まちを支えていくのは、次の世代を担う子どもたちです。多くの皆様に「子育てしたいまち ヨコハマ」を実感していただき、「横浜で子育てしてよかった、横浜で子育てしたい」と思っていただけるよう、これからもスピード感をもって皆さんの声にお応えしていきたいと思います。
田中 貴重なお話をいっぱい聞かせていただきありがとうございました。これからも、とっても期待しています。
(執筆:田中亜希)