横浜市の子育て環境はこんなに充実! 子育てを応援してくれる「地域子育て支援拠点」

慣れない土地での出産や子育ては嬉しい反面、不安も多いもの。そんなママとパパの味方が地域子育て支援拠点です。未就学児とその親や妊娠中のママやパパが無料で利用でき、親子で遊んだり、交流したり、悩み相談したりと、子育て中に頼りになる場所です。

とはいえ、雰囲気や状況がわからないと訪ねるのに少し勇気がいるものですね。今回はタイプの異なる4つの地域子育て支援拠点を訪ねてみました。

横浜市の地域子育て支援拠点はどんな場所?

横浜市の地域子育て支援拠点は全区に1〜2カ所あり、それぞれの区と市民団体が運営。以下の7つの機能が備わっています。

親子が遊び、交流できる広場
親子で遊んだり、他の親子と交流したり、スタッフとおしゃべりしたりできる広場があります。

子育ての悩み相談ができます
広場で気軽に出産や育児の心配事を相談できます。助産師など専門家による相談日もあります。

③子育て情報が入手できます
近所にある遊び場や、保育園、イベントなど、多彩な子育て情報が集められます。

④「横浜子育てパートナー」による支援
妊娠期から子育て期のさまざまな悩み相談に対応する「横浜子育てパートナー」が常駐。相談者に寄り添い、情報を調べたり、医療機関など適切な支援窓口を紹介したりしてくれます。

⑤地域の子育て支援のネットワークづくり
⑥子育て支援に関わる人向けの研修会などの実施
⑦地域で預かり合う「横浜子育てサポートシステム」の事務局

など関係機関と地域をつなぐ子育て支援のハブ的機能もあります。

それでは、4拠点それぞれの様子をお伝えします!

横浜市の子育て支援拠点①:一軒家でのびのび! 地域とのつながりも濃い「かなーちえサテライト(神奈川区)」

神奈川区の地域子育て支援拠点は2つ。東神奈川駅近くで2007年から続く「かなーちえ」と、新子安駅近くに2021年に誕生した「かなーちえサテライト」です。

「かなーちえサテライト」は、専用に設計・新築された2階建て一軒家テラスや砂場付きの庭があるんですよ。

「周辺はマンションが多いので、泥遊びに抵抗のある方も、ここで泥遊びの楽しさを覚えて公園に出かけるようになったりします」と、現場責任者の小金澤絵美さん。

かなーちえサテライトの様子の画像
庭では泥遊びや水遊びができます(画像提供:かなーちえサテライト)
ウッドデッキの画像
室内から裸足のまま出られるウッドデッキ

1階は、親子で遊べる広場と独立したおむつ替えスペースや授乳コーナー。2階には「赤ちゃんの親子ふれあい遊び」や「はじめまして♪赤ちゃんタイム」などのプログラムを行う交流室や、相談室があります。交流室はプログラムのない時は自由に遊べますよ。

ひろばの様子の画像
木のぬくもりあふれる「ひろば」。子育て仲間でおしゃべりも(画像提供:かなーちえサテライト)
家具の様子の画像
家具も設計士が考案。角がなく子どもが使いやすい高さの家具は、テーブルになったりベンチになったり
階段の様子の画像
段が低めで子どもも登り降りしやすい階段。幅の広さを活かして自由に遊べます(画像提供:かなーちえサテライト)
相談室の画像
2階には独立した相談室も

運営を行うNPO法人「親がめ」のルーツは、2000年に神奈川区と地域の人々が立ち上げた「すくすくかめっ子」事業。町内会館や空き店舗などを活用し、地域ボランティアが運営する親子の遊び場で、現在は区内47カ所に広がっています。

「かなーちえ」「かなーちえサテライト」でも幅広い世代のボランティアが活動。プログラムの多彩さも特徴で、長く携わるスタッフの鈴木郁代さんは「利用者さんをお客さんにしないのがうちのモットー」と笑顔で話します。

利用者が歌や踊り、得意な楽器などを持ち寄り披露する「音楽タイム」、運動好き利用者による「からだリフレッシュ」など、利用者と地域の方の知恵やスキルを活かした「ちえのわタイム」もあります。地域活動が原点の拠点らしい、自由で温かな空気が流れています。

スタッフの画像
小金澤さん(右上)、鈴木さん(中央上)をはじめ、明るいスタッフが気さくに話しかけてくれます

基本情報
神奈川区地域子育て支援拠点「かなーちえサテライト」
住所:横浜市神奈川区入江1丁目17-12-2
開館時間:火~土曜9時30分 ~ 15時30分
休館:日・月・祝・年末年始(月曜祝の場合は翌火曜も休館)
URL:https://kana-chie.com/

横浜市の子育て支援拠点②:都会だからこそ、近くに子育て仲間がいる大切さを伝える「スマイル・ポート(西区)」

赤ちゃん優先コーナーの画像
赤ちゃん優先コーナー
絵本や遊具コーナーの画像
絵本や遊具のコーナーもあります

西区・みなとみらいのビルにある「スマイル・ポート」。「転出入が多い区なので、初めての方には地域の特徴からご紹介しています」と、施設長の鳴神美穂子さん。

西区「スマイル・ポート」掲示板の画像
初来館者には地図を見ながら対応。海が近いエリアもあるため防災についても啓発

共働き世帯の利用者が多いため、パパ向けのイベントを開催するなど、パパも訪れやすい雰囲気づくりに取り組み、特に週末は父子が多く来館しています。

西区「スマイル・ポート」パパ向け掲示板の画像
先輩パパに子どもとの関わり方を教わるなどのパパ向けイベントを実施

神奈川大学経営学部」や「横浜市中央図書館」など、近隣の施設や団体とのコラボイベントが多いのもこの立地ならでは。

西区「スマイル・ポート」おでかけマップの画像
昨年度は、パパが子どもと外出する際に便利なマップを神奈川大の学生が作成。
西区「スマイル・ポート」掲示板の画像
「悩んでいるときもパッとみられるように」と、相談方法をコンパクトにまとめたコーナーも

こちらの運営はNPO法人「シャーロックホームズ」。98年に創立者が自宅を開放して青少年の居場所を作ったのが始まりで、メルマガなど情報発信にも力を入れてきました。「来館頻度の少ない方にも情報を届けたいとの想いからなんです」と鳴神さん。

好評なのが、区内を4地域に分けて実施する連続講座「スマイルつながるプロジェクト」。地域の子育てサロン(地域住民が運営する遊び場)に「スマイル・ポート」スタッフと受講者みんなで訪れ、交流をして、講座を通して近所に居場所や仲間が作れる内容です。

「職場に復帰される方にとっては、育休期間中にどれだけ地域とのつながりを築くかで、その後の子育てのしやすさが変わります。地域になじみがない人がつながりを持つきっかけになれば」と鳴神さん。

どんな人にも寄り添う優しさが、「スマイル・ポート」にはあふれています。

西区「スマイル・ポート」スタッフさんの画像
鳴神さん(左下)をはじめ、和やかで優しい雰囲気のみなさん

基本情報
西区地域子育て支援拠点「スマイル・ポート」
住所:横浜市西区みなとみらい3-3-1 KDX横浜みなとみらいタワー3F(旧三菱重工横浜ビル)
開館時間:火~土9時30分 ~ 15時30分 
休館:日・月・祝・年末年始(月曜祝の場合は翌火曜も休館)
URL:https://smile-port.jp/

横浜市の子育て支援拠点③:地域との連携を進めながら、アイデアに富む取り組みも行う「すきっぷ(泉区)」

泉区「すきっぷ」外観の画像
「すきっぷ」は2009年に駅すぐのビルにオープン

泉区「すきっぷ」は、相鉄いずみ中央駅すぐのビルの中。
「外からわかりづらいので、Googleストリートビューで館内の様子を見られるようにしたんですよ」と、施設長の泉直子さん。なんとイマドキな!

2階の広場は広々としていて、日当たり良好子どもたちものびのび遊んでいます

泉区「すきっぷ」広場の画像
広場にはおもちゃや遊具がいっぱい。窓からは電車も間近に見えます
泉区「すきっぷ」研修室の画像
研修室の壁には子育て情報がびっしり。昼時にはランチルームに。
泉区「すきっぷ」掲示物の画像
テーマを決めて情報交換するボード。秋は「保育園・幼稚園を選んだ決め手」をふせんで寄せ合っています。口コミ はインスタで集めることも。
泉区「すきっぷ」おもちゃの画像
スタッフさんの手づくりおもちゃは大人気!

隣駅の「ゆめが丘」の開発もあり、子育て世代をはじめとした人口増が予想される泉区。泉さんによると「子育てに対して温かい地域」で、区内に21カ所の子育てサロン(地域住民が運営する遊び場)があるそう。

定例イベント「みんなで公園であそぼ〜」では、地域で子育て支援に携わる人たちが砂場にトンネルを作ったり壊れにくいシャボン玉の作り方を伝授したりと、公園遊びが楽しくなるしかけを用意して親子と遊びます。子育てサロンへの来場を促す機会にもなっているそう。

子育てのみならず災害時を考えても地域とのつながりは大事なので、近所の子育てサロンに行ってみてほしい。『すきっぷ』から遠い地域の子育てサロンに助産師など専門家の派遣も行っています」

ユニークなイベントも。家事・育児の分担をシミュレーションできるカードゲーム「カジークジー」を泉区用にカスタマイズし、産前イベントに活用。「産後生活で"こんなはずでは"と思うことが減らせます。参加者も楽しそうでした」

泉区「すきっぷ」カードゲームの画像
「カジークジー」は東京青年会議所板橋区委員会が「主夫ラボ」高木駿さん監修のもと制作。登場する公共施設やお助け情報を泉区版にカスタマイズしてある

「すきっぷ」を運営するNPO法人「ちょこっといずみ」の前身は、区役所の中の託児スペースを運営していた市民団体。

「ミニコミ誌を作ったり親子コンサートをしたりと、やたら元気なグループだったんです」と泉さんは笑いますが、カードゲームやGoogleストリートビュー、手作りおもちゃなどを見ていると、創造力と柔軟な発想により、利用者にとって楽しく居心地よい拠点になっていることが伝わります。

泉区「すきっぷ」スタッフさん
スタッフの皆さんはおっとりとした雰囲気。「みんな泉区で子育てをしてきたので地元のよさをよく知っています」と泉さん(前列左から2番目)

基本情報
泉区地域子育て支援拠点「すきっぷ」
住所:横浜市泉区和泉中央南5-4-13相鉄いずみ中央ビル209
開館時間:火~土9時 ~ 17時 親子の居場所(ひろば) 9時30分 ~ 15時30分
休館:日・月・祝・年末年始(月祝の場合は翌火曜も休館)
URL:https://skip-izumi.jp/

横浜市の子育て支援拠点④:シンボルは大きな庭! 心ものびのび過ごせる「にこてらす(瀬谷区)」

瀬谷区「にこてらす」広場の画像
広場でのスタッフとのおしゃべりから悩み相談に発展することも

大きな庭からの光と風があふれる瀬谷区の「にこてらす」。地域ケアプラザや社会福祉協議会などの社会福祉施設が集まる「せやまる・ふれあい館」に2011年にオープンしました。

「瀬谷区は南北に長いので、区を4地域に分けて、各地域の子育て支援者と情報交換しながら活動。拠点から遠い地域には『出張子育てひろば』も実施しています」と施設長の宮川典子さん。

瀬谷区「にこてらす」情報コーナーの画像
ひろばにある情報コーナー。必要な情報がわかりやすいよう、地域別に色を分けて掲示
瀬谷区「にこてらす」名札テープの画像
名札代わりの養生テープ。今日何をしたいかによって色を選べるのはいいアイデア!
瀬谷区「にこてらす」庭の画像
庭で思い切り遊べるよう着替えの貸し出しも。砂山は、隣接する特別支援学校の生徒が作ってくれたそう

こちらのユニークな取り組みが、子育て応援マップ「ぐるっとなび」。公園や飲食店、授乳・おむつ替えスポットなど、親子のお出かけに役立つ情報を集めた冊子ですが、現役ママ有志が毎月編集会議を行い、子連れで取材しているのです!

瀬谷区「にこてらす」会議の画像
左:「ぐるっとなび」表紙。イラストや撮影もママたちが手がけています。公式サイトでPDFも公開。右:編集会議には15人前後が参加。横浜子育てサポートシステム会員の見守り付き

また、もともと利用者として来館したことをきっかけに、中国人やベトナム人など外国人スタッフが在籍していることも特徴です。「外国人と日本人が交流できるような企画にも力を入れています」と宮川さん。

瀬谷区「にこてらす」本棚の画像
本棚には外国語の書籍や絵本も並びます

運営母体であるNPO法人「さくらんぼ」が掲げるビジョンは“参加障害のない街づくり”。そんな姿勢が「にこてらす」にも反映され、さまざまな特性や背景を持つ人がのびのびと過ごせる、おおらかで温かい空気に満ちています

瀬谷区「にこてらす」本棚の画像
宮川さん(右から2人目)をはじめ朗らかなスタッフの皆さん

基本情報
瀬谷区地域子育て支援拠点「にこてらす」
住所:横浜市瀬谷区二ツ橋町469せやまる・ふれあい館1F
開館時間:火~土9時30分 ~ 15時30分
休館:日・月・祝・年末年始・施設点検日等(月祝の場合は翌火曜も休館)
URL:https://www.nico-t.jp/

■まとめ

横浜市の地域子育て支援拠点は、子育て中のママ・パパがほっとひと息つけるだけではなく、地域とつながりを持ち、親子のよりよい暮らしのサポーターとなってくれる場所です。

利用者からは「就学前の孤独な期間も、ここに来るとひとりじゃないと思えた」「子育て中の気分転換ができ、保育園などの情報も得られて助かった」という声も。

今回紹介した4拠点に限らず、各区に地域子育て支援拠点があり、それぞれの地域ならではの特色に合わせて運営されています。

地域子育て支援拠点は、今年7月に公開された横浜市の子育て応援サイト「パマトコ」を活用するとスムーズに利用できます。横浜での子育てに、ぜひ活用を!

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横浜市の充実した子育てサポートについてサイト内で紹介しています。
https://iju-sumu.city.yokohama.lg.jp/parenting/

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